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岡崎コレクション Presented by 青経連
Okazaki collection by SEI KEI REN

企業インタビューページは、青経連と岡崎女子短期大学による産学共同事業です。
岡崎女子短期大学生が青経連加盟の各企業を取材し、学生の視点で発見した各企業の魅力を発信するページです。

企業インタビュー

有限会社 金原商店
 金原 正芳 様

7か国の“わた”でお客様のご希望にお答えします!

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<会社について教えてください。>


(学生) 創業当時の苦労として、信用がなく仕入れが思うようにいかなかったとお答えいただき、その解決方法として自転車操業という形で信頼を得られるまで商売を行ったということですが、自転車操業で苦労した点や工夫した点などはありますか?


(金原さん)工夫した点は、皆さんが普段買い物をするように、購入したものの代金をその場で払うようにしました。
それを弊社では「自転車操業」と呼んでいます。
 通常、仕事では締日と支払日があるものですが、弊社では現在も当初のスタイルを続けています。

(学生) なるほど、支払いまでのタイムラグが出ないようにしているわけですね。


(金原さん) はい。当初は信用を得るためでしたが、それが現在では、金原商店なら安く販売しようとなってもらえるので、仕入利益の向上に繋がっています。弊社のウリの一つになってますね。

(学生) 確かに、その場で支払いがある方がいいですものね。



(学生) 金原さんが、信用を得られたと思うまで、どれ位かかりましたか?


(金原さん) 信用を得られているかというのは、正直自分では分かりません。相手が判断することなので。ただ敢えて言うのであれば、長い年月取引をしていただいているお客様が、ありがたいことに多くいらっしゃいます。

(学生) その意味では、信用されていると。


(金原さん) あと新規の取引先様の場合、先方からの信用の有無は分かりませんが、紹介してくださる方から、金原商店を紹介しよう、金原商店なら大丈夫だとおっしゃっていただけています。最近は、信用されているか否かをあまり気にしていません。

(学生) 次の質問です。信用が得られるまで自転車操業で商売を行ったとのことでした。では仕事が軌道に乗った後の事業方法などは何か変化がありましたか?


(金原さん) 基本的には変わっていないですね。ただ、銀行からお金の借り入れが出来るようになったので、キャッシュフローは楽になりました。

(学生) 初めの頃は、銀行からお金は借りられないですか?


(金原さん) 借りられないですね。

(学生) えっ、一銭もですか!?


(金原さん) 難しいですね。今は時代が変わって借りられることもあると思いますが、当時は難しいですね。
どこの誰か分からない人に、お金は貸さないですよね?

(学生) ・・・厳しい。


(金原さん) 最初は資金のある分しか仕入れができず、仕入れ分しか売れないということを繰り返し、徐々に資金が増える。
銀行からお金が借りられるようになることも、一つの信用になると思います。


(学生) 現在どのようなお仕事をされていますかという質問に対して、“リサイクルわた”の製造販売とお答えいただきましたが、“リサイクルわた”とリサイクルする前の“わた”の違いは何かありますか?

 

(金原さん) 簡単に言うと、まず糸くずを仕入れます。糸を使う会社にとってこれはゴミですが、弊社では有価物として仕入れ、弊社工場で“わた”にして販売します。

(学生) それが“リサイクルわた”ですか?


(金原さん) そういうことです。例えば、アパレルメーカーや糸メーカーからでる糸くずをリサイクルして“わた”にしています。


(学生) その“リサイクルわた”はどのような業種に需要がありますか?


(金原さん) 弊社は布団業界が多いです。色のついた服や古着は自動車産業などですが、弊社は白いものだけを扱っているので、主に座布団や敷布団に使われることが多いですね。“わた”の種類によっては枕だとか掛布団などにも使われます。また、少しマニアックなものとして、仏具にも使われています。おりんの座布団には、この“わた”を使ってもらっています。

(学生) おりん?


(金原さん) お仏壇にある金色の小さい鐘の下に敷いてある座布団です。他には棺桶に使われる布団ですね。


(学生) 貿易ではどこの国に需要がありますか?


(金原さん) 需要は探すものであるとは思いますが、弊社はほぼバングラデシュですね。今はほとんどバングラデシュ特有なものを輸入し、日本のお客様に販売しています。日本は人件費を始め全て高いので、結果、アジアになってきますね。弊社の規模ですと、中国や韓国には大手企業があり勝てません。なので、5年程前、バングラデシュに進出しました。

(学生) バングラデシュでは寝具を販売しているんですか?


(金原さん) 全く関係のないものです。笑

(学生) そうなんですか!?


(金原さん) 繊維製品に変わりはありませんよ。工場で使われるものを取り扱っていて、今一番多いのは工業用雑巾です。輸入商品では、お客様が現場で一緒に使うもの、例えば手袋やタオルなどを新アイテムとして取り入れていきます。今は工場で使われるものを取り扱っているので、プラス布製品で使えるものを増やしていく方向で動いています。

(学生)貿易事業において、対日本企業と対海外企業との取引の違いは何ですか?


(金原さん)欧米では当たり前かもしれませんが、きちんと契約書があり、それに記載されていないことはやらなくても問題ないというのが一番ですね。ずっと国内だけで仕事をしてきたので、日本の方が少し変わった環境なのかもしれないと気付きました。例えば日頃、「明日〇〇時ね」という電話内容を、相手が守らなくても仕方がない、契約してないですよね、と。


(学生)日本にいると割と口約束でも問題ないイメージでした。


(金原さん)そうなんです。日本ならば例えば電話で「“わた”を配達してね」と言われ、「分かりました」で終わりますが、対海外企業の場合、メールなどを送らないと、「え、言った?」や「注文をもらっていません」になりがちなんです。



(学生)御社の強みのひとつとして、台風や大雪でも商品を届けられるとお聞きしました。それは何故ですか?


(金原さん)どんなに迂回しようが、“とにかく届ける”。 これが弊社の信条です。
 お客様は弊社の“わた”がないと布団が作れませんし、それによって布団が納品できないとお客様が困ります。布団メーカーにはホームセンターと納品契約されてるところが多いのですが、未納を起こすと違約金が発生するケースがあります。それは、台風や大雪等の遅延でも免責事由にあまりならないのだそうです。
 同じ台風でも、競合他社のお客様は未納で違約金が生じるが、弊社のお客様は“わた”がちゃんと届くが故に違約金が生じない、ということも出てくるわけです。

(学生)この天候でも届けてくれるのかと、お客様が心配な悪天候でもですか?


(金原さん)はい。行きますよ、間に合わせますよという思いです。

(学生)・・・どんな天候でもですか?


(金原さん)ええ、行きますね。

(学生)それはすごい!!でも事故など今までなかったですか?


(金原さん)おかげさまで、大きい事故は一度もないと思います。急ぐ中にも余裕をもって出発し、疲れたらちゃんと休憩を取ります。安全運転は大前提です。
 誤解のないように言うと、お客様がどうしても間に合わないとおっしゃる時には頑張りますが、通常時では納期をそこまで詰めないようにしてます。
 要は欠品しなければ良いわけです。メリハリですよね。


(学生)ライバル企業に対する対策は何かありますか?


(金原さん)敢えて言うのであれば、自社配送で融通が利き、自社倉庫の在庫により欠品をしない。 これが弊社の得意とするサービスであり、それが他社との差別化ですね。


(学生)ネットビジネスではどの様な事業を展開したいですか?


(金原さん)ネットショップに、若い世代の方たちの目に留まるもの、若い世代の方たちの感性を取り入れたいですね。例えば、商品自体や商品のパッキングなどです。皆さんの感性には敵わないと思いますので、そこは反映させるべきだと思います。

(学生)すぐに家業を継がずに、海上自衛隊に入られたのは何故ですか?


(金原さん)海に関わる仕事がしたかったからです。


(学生) どうして海上自衛隊を退職されたのですか?


(金原さん)99年12月の退職でしたが、ミレニアムに仏教国のイメージの強いインドに行きたくなったからです。
若かったですね。笑


(学生) 海上自衛隊での経験が、今に活かされていることは何ですか?


(金原さん)メンタル面は、海上自衛隊時代、それと高校時代は硬式野球部にいましたが、その経験が活かされていると思います。仕事では忍耐力の必要なことがあります。当時も、日々の練習や訓練等で忍耐力の必要なことが多かったですので、そういう意味では、現在に活かされていると思います。


(学生) 旅で得た経験の中で、仕事に対して、どのような影響がありましたか?


(金原さん)旅の途中、様々なことがあった中で人に助けられて帰国し、帰国後も本当に人に助けられました。ですので、“わた”事業にせよ貿易事業にせよ、様々な人からの相談に親身に応じ、お互いにwin・winの関係になれるような言動を心掛けるようになりました。
 なにより人の役に立つことが今まで助けてもらった恩返しだと思えたことが大きいですね。


ありがとうございました。


学生から見た企業の魅力
「職場の雰囲気」:社長夫婦の仲が良く、しっかりとした管理体制で、信頼されている会社だと感じました。
「働きがい」:取引先が国内だけでなく、海外にも足を延ばしています。そのため多様な経験をすることができるので、働きがいは十分にあると思いました。
「将来性」:現在6か国の“わた”を取り扱っており、今後は貿易事業も期待できます。

岡田 夏矢美
加藤 愛望
成瀬 実沙希
舩越 美桜

企業情報

企業名

有限会社 金原商店

代表者名

金原 充義

所在地

〒444-0914
岡崎市末広町11-4

TEL

0564-24-6456

FAX

0564-28-6736
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